あなただけを愛したい
こんな風に思ってくれているはずだって思っちゃうのは、単なる自惚れかな。


図々しいよね、こんな考えは。



ゆっくり砂浜を歩いて、前に来た時に座った石を見つけて、それに腰かけた。


真っ直ぐ前を見据えて、海を眺める。


こんなに広い空間なのに、あたしの他には誰一人いない。


耳に届くのは、波の音だけ。


なんか、贅沢だなぁ。


航と二人で見れたら、最高に嬉しいのに。






でも、どれだけ時間が経っても航は来なくて……


辺りはだんだん薄暗くなってきて……


もう来ないかもしれない。


そう思ったら、目からホロリと涙がこぼれた。
























航に、会いたい――…
















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