あなただけを愛したい



「柑那(カンナ)、手伝おうか?」



38人分のノートをまとめて、それを手に教室を出ようとした時に、後ろから声がかかった。



「あ、祥子。大丈夫だよ」



重さを感じないくらいに、この後のことを楽しみにしてるあたしがいる。


階段を上がって、わたり廊下を歩いて……


ようやく数学準備室にたどり着いた。



でも……


どうしよう……


両手が塞がっていて、ドアを開けれない。


やっぱり祥子に、ついてきてもらえば良かったかな。


仕方ない……


床にノートを置こうと、しゃがんだ瞬間……



「見えるぞー」



と、後方から声がかかった。


でも、“見えるぞ”ってなに?


訳がわからず、首を傾げる。



「だから、パンツ見えるって」



えっ!?


ヤ、ヤダ!!
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