あなただけを愛したい
そのままトイレから出ようとすると……


えっ、うそ。


フラフラする。


どうしよう……


落ち着こうと深呼吸してみるけれど、今度は動悸もしてきた。



ドクドクドクドク……



とりあえず真紀ちゃんのところへ戻ったほうがいいよね。


覚束無い足で歩いて、トイレから出た。



「柑那ちゃん、大丈夫?」



顔を上げると、そこにいたのは、さっきカシスオレンジを手渡してきた目の前に座っていた人。


もしかして、この人……


わざと飲ませたんじゃ。


そんなふうに思いたくはないけれど……


このタイミングで待ってるとか、かなり怪しい。



「このまま抜けない?」


「えっ!?」



やっぱり……


この人が、わざと飲ませたんだ。
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