あなただけを愛したい
こうやって航の温もりに包まれるのは二ヶ月半ぶり。


大好きな人に抱き締められて、言葉にならないほどに嬉しくて、それでいて凄く安心する。


だから……



『襲っていい?』



と言われても、『嫌』とは言えない自分がいる。


さっきはあまりの恥ずかしさに、『ダメ』と言ってしまったから矛盾しているんだけれど。


でもやっぱり、航に触れたくて触れたくて仕方なかったんだもん。


ずっとくっついていたいよ。


ずっと航の体温を感じていたいよ。



「柑那?」



あたしが何も言わないからか、航が横から顔を覗き込もうとしてきた。



「……ここじゃ、ダメだからね」



心のどこかで、航と深く触れ合いたいと思っているから、否定でありながら、否定ではない言葉を口にした。
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