あなただけを愛したい
翌日、重い体を起こして、学校へ向かった。


結局今日も、ほとんど眠れなかった。


今日も帰りに家へ寄ろうと思っているけれど、柑那はいるんだろうか。



「水島先生、どうかした?」



隣に座る椎名先生が声をかけてきた。



「いえ別に。ちょっと寝不足なだけです」


「彼女……土原と喧嘩したんだろ?」



は?


思わず椎名先生の方へ、勢いよく振り返ってしまった。



「はは、何だよ、図星かよ」


「……」



やべ、のせられた。



「早めに謝っとけよ。土原はモテそうだから、すぐにかっさらわれるぞ」



わかってるよ、そんなこと。


でも電話にも出ねぇ、メールも返事がねぇ、家にもいねぇ……


俺はどうすりゃいいんだよ。
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