あなただけを愛したい
こんな俺じゃ、柑那も逃げたくなるはずだよな。



柑那……



柑那は今、どうしてるんだろうか。


俺のことを待っててくれんのかな。


それとも……


考えたくねぇけど、新しい男ができたりしてんのかな。


椎名先生が言っていた通りなんだ。


今こうしてる間にも、柑那を狙ってるヤツが追っかけ回してるかもしれねぇ。


もしかしたらそんなヤツと、付き合ってるかもしんねぇ。


そうなっていたら……


マジで、へこむ。



『とりあえず俺にまかせとけ』



蓮はそう言ったけど、俺はもう待てねぇよ。


柑那を一人にはしておけねぇよ。




だから、その日俺のアパートへやって来た茜に、



「子供に会わせてほしい」



そう言った。


決して、歩み寄ろうと思った訳じゃない。


子供に会えば、誰の子かわかるかもしれねぇと思ったからだ。
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