あなただけを愛したい
慌てて体を起こすと……



バサバサ……



「あ」



見事にノートが散乱した。



ガーン……



「あーあ、落としちゃったね」



ちょっぴり楽しそうにも聞こえるその声に、振り返ると……



「……っ!」



先生だっ!


えっ、じゃあ……


さっきからいたのって……


水島先生だったの?


なんか、今更ながらどきどきしてきた。



「椎名先生が受け持ってるクラスの子?」


「あ、はい」



どうしよう……


突然すぎて……


どきどきが止まらないし……


頬も熱くなってきた。



「女の子一人に運ばせたら、ダメだよなぁ」



そう言いながら、先生は散らばったノートを綺麗に纏めてくれた。
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