あなただけを愛したい
先生は、お昼すぎに近くまで迎えに来てくれた。


車はあたしの横で止まって、窓が開いた。



「亜衣ちゃん、おはよう」


「おはようございます」


「乗って」



まさか先生の車に乗れるなんて思いもしなかったから、ドアに手を掛けた瞬間、手が震えてうまく開けれなくなってしまった。


そしたら、先生が助手席の方へ体を伸ばして、中からドアを開けてくれた。



「ありがとうございます」



どきどきする胸を押さえながら、助手席に座る。


どうしよう……


一回だけ……って思って来たのはいいけれど、あたし、とんでもなくひどいことをしてるんじゃ……


そう思うと、先生に対するどきどきと、罪悪感からくる不安とが混じりあって、胸が凄く痛くなった。



「亜衣ちゃん?体調悪い?」


「えっ」



思わず先生の方を見る。


心配そうにこっちを見ているけれど……


先生が見てるのは、あたしじゃない。


そう思ったら、余計に顔が歪んでしまう。
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