あなただけを愛したい
「まあでも、そういうとこもいいなって思うけどな」


「……」



いつも見ていた先生とは違いすぎる。


無邪気な笑顔じゃなくて……


愛しそうに笑う、大人の表情……


新しい先生を見れて嬉しいと思う反面、この表情はあたしに向けたものじゃないんだと、胸が痛くなる。


先生は真っ直ぐ前を見て、運転しながら……



「この間のヤツとは、どんな関係?」


「この間……?」


「持ちかえられそうになった時のこと……」



あ……



「あれは、……合コンで、あたし飲めないのに、飲まされて。……無理矢理連れてかれたんです」


「合コン?」


「はい」


「じゃあ、亜衣ちゃんはさ、……彼氏いないの?」



先生はチラッとだけこっちに視線を向けて、また前を見た。
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