あなただけを愛したい
「それから……年は25才。家族は弟が一人いて、……他に知りたいことある?」


「えっ」



うつむいていた顔をあげて、先生を見ると



「亜衣ちゃんは俺のこと、何も知らないだろ?」



笑いながらそう言うけれど……


あたし、結構先生のことを知ってるよ?


でも今は柑那じゃない。


亜衣なんだ……



「俺にも、亜衣ちゃんのことを教えて?ずっと見てたけど、ほんとにそれだけだから。知ってることは少ないんだ」



なんか……


胸が苦しくなってきた。


だって……


もし話したとしても、お姉ちゃんのことでしょ?


あたしのことを知ってもらえるわけじゃない。


そう思ったら、目頭が熱くなって……


涙が出そうになってきた。
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