あなただけを愛したい
*



コンコンッ…



「柑那ー、入るよー?」



と言って、お姉ちゃんが部屋に入ってきた。



「どうしたの?」



お姉ちゃんはニコニコしながら、あたしのベッドに腰掛けた。



「イブの夜、予定あけといてね」



イブの夜?



「え、何で?」



お姉ちゃんは“ふふふ”と笑いながら



「柑那には先に言っちゃうね。……実は、泰明(ヤスアキ)にプロポーズされたんだ」


「えっ!?お姉ちゃん、やっちゃんと結婚するの!?」


「わわっ!柑那、声がでかい!」



そう言って、あたしの口を塞ぐ。



「ご、ごめん!」


「お父さんとお母さんにはまだ言ってないんだから、口には出さないでよ?」


「う、うん」
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