あなただけを愛したい
*



ピンポーン…



玄関のインターホンが鳴り響く。


きっと、やっちゃんだ。


お姉ちゃんが玄関へ走っていった。


少し間を置いて……


お姉ちゃんと、スーツを着たやっちゃんがリビングへ入ってきた。


お父さんの目の色が変わった気がした。


やっちゃんは、お姉ちゃんと付き合い始めた七年前から、この家に出入りしてる。


だから付き合いは認められてるけれど……


結婚となると、どうなんだろう。



お姉ちゃんとやっちゃんは、お父さんの前で正座して座り……



「今日はお話があって伺いました」



やっちゃんは膝の上で、拳をぎゅっと握っている。



なんか……


あたしまでどきどきしてきた。



「亜衣さんと付き合って七年、この家に出入りするようになっても七年……、僕にとって、この場所が凄く居心地のいい場所でした」



やっちゃんの表情は緊張しているものの、声色は凄く柔らかいから、あたしまで心が温かくなる。
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