あなただけを愛したい
「柑那は彼氏いねぇの?」


「うん、いないよ」


「そっか、まぁでも、柑那にはまだはぇーな」


「はぁ?やっちゃんとお姉ちゃんはもっと前から付き合ってたでしょ?」



16才の時からだもんね。



「俺らのことはどうでもいいんだよ。柑那は危なっかしいからな」


「そうだよね。この間なんて知らない人の家に泊まったしね」


「あれはっ、お姉ちゃんが、あたしに合コンなんか押しつけるからでしょ!?」


「……」



お姉ちゃんは、思い出したのか苦笑い。


でもその横でやっちゃんが……



「なんだよ、それ。亜衣も行ったのか?」


「行ってないよ。代わりに柑那に行ってもらったから」


「代わりってなんだよ。亜衣が行くつもりだったのかよ?」



やっちゃんが、怒ってる。


普段怒った顔を見たことがないから、凄くびっくりした。



「……先月、泰明と大喧嘩したでしょ?あのあと、自棄になってセッティングしてもらったの。でも……合コンの前に仲直りしたから……」
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