あなただけを愛したい
あたしが何も言わないから……


先生は、無言のまま車を発進させた。



学校は、二月に入ったら自由登校になるし、通うのはあと一ヶ月くらい。


大丈夫……


忘れられる。


このまま、土原柑那の存在を知られないまま、高校を卒業できる。


大丈夫……


大丈夫だから……


自分にそう言い聞かせて……


いつも待ち合わせをするコンビニで、車を降りた。


先生も一緒に降りたけれど、あたしはそれを振り切るように



「それじゃ……」



と言って背中を向けた。


先生は納得してない顔をしているけれど。



そのまま家の方向へ歩み始めた時――



「柑那!」



後方からあたしを呼ぶ声……


慌てて、その声の方へと振り向くと……


そこにいたのは……






お姉ちゃん。
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