あなただけを愛したい
新学期が始まって一週間が経った頃の、放課後……



「土原、ちょっといい?」



と、声をかけてきたのは……


長谷川くん。


学園祭の時に、告白現場を目撃して、その場を去ろうとしたけど、見つかったんだよね。


あれから、挨拶くらいはするようになったけれど、こんなふうに呼び止められることはなかった。



「何?」


「ちょっと、話ある」



なんだろ。


今日は特に何も予定がないから、長谷川くんについていくと……


着いた場所は、空き教室。


奥へ足を進める長谷川くんについていく。


長谷川くんは窓から外を見ながら……



「俺さ、冬休みに見たんだよね」



見たって……



「何を?」


「水族館で……」



水族館?


って……


ま、まさかっ!
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