あなただけを愛したい
「土原は、水島と付き合ってんの?」


「ち、ちがう!」



長谷川くんには眼鏡を外した顔を見られたから、気付かれたんだ。



「まぁ、素直に頷くわけないか」


「えっ、ほんとなんだって!ほんとに付き合ってないのっ!」



バレちゃいけない!


先生に、あたしがこの学校の生徒だって、知られるわけにはいかない。



「でも俺、この目で見たんだもん。何もないは通用しねぇよ?」



ど、どうしよう。



「……先生は、あたしがここの生徒だって気付いてないの。だから、黙ってて?お願い」



最低な女だと思われるのを覚悟で、ほんとのことを口にした。



「は?……それマジ?」



コクンと頷く。



「……なんで、そんなことしてるわけ?」


「……」
< 83 / 453 >

この作品をシェア

pagetop