あなただけを愛したい
「あたし、……先生のことが好きだったから」


「マジッ?」



長谷川くんが目を見開いて驚くから、思わず“ぷっ”と吹き出してしまった。



「でも、もう終わったから」


「は?」


「あの水族館が最後だったんだ」


「……」


「もういい?あたし、そろそろ帰りたいんだけど」



これ以上話したら泣きそうだった。






それから数日後、短大の受験があった。


二日連続で。


本命と滑り止めの二校。


最近は勉強が身に入らないことが多かったけれど、それなりに努力はしてきてたからか、まずまずの出来だった……


と思う。




とりあえず終わったことにほっとした。
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