あなただけを愛したい
*



「柑那!おめでとー!」


「祥子、ありがとう」



とりあえず、滑り止めの短大は合格した。



「卒業したら別々になっちゃうね」


「うん、寂しくなるね」



祥子は就職する。


卒業したらあんまり会えなくなるんだろうな。


寂しいな。



「あたし、先生に報告してくるね」


「うん」



教室を出て、職員室へ向かった。



「土原!」



振り返ると……



「あ、長谷川くん」



あれから、長谷川くんとは、少しずつ話すようになった。


最初は“弱みを握られた”とか思ったけれど、長谷川くんには全然そんな気はなくて、今はほんとに気の合うお友達。



「合格したんだって?」


「うん、滑り止めだけどね」


「おめでとう」


「ありがとう。長谷川くんは?」
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