あなただけを愛したい
他に好きなヤツがいても、俺を見ようとしてくれてるんだと……そう思っていた。


だけど……


別れは突然だった。


理由も言わず、突然“会えない”と言われ、いつも別れるコンビニで背中を向けられた。


その時……



「柑那!」



という声に君は振り返ったんだ。


そしてなぜか、そう呼んだ女性が“亜衣”だと……


どういうことだ?


俺が好きになった“亜衣”は、さっきまで一緒にいた君。


でも君は“柑那”と呼ばれていた。


わけがわかんねぇ……


君を乗せた車が見えなくなるまで、ずっと見ていた。






それからずっと君のことばかり考えていた。


俺が“亜衣”だと思っていた女性は“柑那”で、“亜衣”はまったくの別人だった。
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