あなただけを愛したい
じゃあなんで君は……


“亜衣”のフリをしていたんだ?


考えても考えても答えは出なかった。


一度だけ、君に電話を掛けた。


でも、……出てはくれなかった。


それに折り返しかかってくるってこともなかった。












君に……









会いたい……









その願いが通じたんだろうか。


最後のあのデートから約一ヵ月後……


俺が顧問しているサッカー部の、前キャップテンである三年の長谷川に用があって、探した。


長谷川は女子生徒と話していた。



「長谷川!」



少し離れた場所から呼ぶと、長谷川と一緒にその女子生徒も振り返った。


目が、……合った……


その瞬間、俺の心臓がトクンと、音をたてた。


な、んだと……?
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