あなただけを愛したい
その瞳は、すぐにそらされてしまったけれど……


今のは……




走り去っていく女子生徒にむかって、長谷川が



「おいっ!土原!」



そう呼び止めるのを聞いて……


確信に変わった。






数日後、君の家を訪ねた。


家は学校の名簿で調べた。


職権濫用だろうか?


インターフォンをならして出てきたのは……


“亜衣”という女性。



「あ、あなたはっ!」



俺のことを知っているようだった。



「柑那さんの高校で、教師をしている水島と言います」



嘘をついても仕方ないと思った。



「教師ぃー!?」



本物の“亜衣”さんが目を見開きながら、叫んだ。


それは知らなかったんだろうか。
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