あなただけを愛したい
「今、柑那はいないんですけど」


「いないほうがいいです。あなたに聞きたいことがあるんですけど、お時間ありますか?」


「えっ!?あたし!?」



この人は彼女から、俺のことをなんて聞いているんだろうか?


さすがに家に入るのは気が引けたので、近くのカフェに入った。


そこで事実を聞いたんだ……



「柑那は四年くらい前から、いとこが経営してるあの店でバイトしてるんです。でも当時中学生だったから、バレたらマズイってことで、高校に入る前までは、あたしの名前を使っていたんです」



俺が一目惚れした場所……


あの雑貨屋……


当時中学生だったっていうのは少々気になるところだけれど、今はそれどころではない。
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