愛★ヴォイス
ふるふると首を横に振る。
どちらも彼は悪くない。
彼と知り合いなのを良いことに調子に乗って、お祝いと称して自分が一番楽しんで……だから罰が当たったのだ。
年上ぶってセッティングした高級レストランで、酒に酔って潰れるなんて最低にも程がある。
「じゃあ、なんで返信くれなかったんですか」
「……」
「真下さん――」
「……あの――声を送ってくれたってことは、あの部屋……見たんですよね」
顔を上げずに問いかける。
もう駄目だ、やはりあの場所にとどまっていることなんて出来ないのだ。
桐原さんはそういう人だ。
有名大学を中退してまで目指した役者の道。
その道を堂々とまっすぐ前を見て歩いている。
そんな人が人との関係をフェイドアウトで終わらせるなんてこと、するはずがない。
「あの部屋って、寝室・ですよね。確かに見せていただきましたけど、俺は決して真下さんにやましい気持ちで手を出したり――」
「そーゆーことじゃなくて!」
思わず声を荒げた。
こうなったら自分も覚悟を決めるしかない。
「あの趣味全開の部屋を見て、どう思ってるんですかって聞いてるんですよ!」
どちらも彼は悪くない。
彼と知り合いなのを良いことに調子に乗って、お祝いと称して自分が一番楽しんで……だから罰が当たったのだ。
年上ぶってセッティングした高級レストランで、酒に酔って潰れるなんて最低にも程がある。
「じゃあ、なんで返信くれなかったんですか」
「……」
「真下さん――」
「……あの――声を送ってくれたってことは、あの部屋……見たんですよね」
顔を上げずに問いかける。
もう駄目だ、やはりあの場所にとどまっていることなんて出来ないのだ。
桐原さんはそういう人だ。
有名大学を中退してまで目指した役者の道。
その道を堂々とまっすぐ前を見て歩いている。
そんな人が人との関係をフェイドアウトで終わらせるなんてこと、するはずがない。
「あの部屋って、寝室・ですよね。確かに見せていただきましたけど、俺は決して真下さんにやましい気持ちで手を出したり――」
「そーゆーことじゃなくて!」
思わず声を荒げた。
こうなったら自分も覚悟を決めるしかない。
「あの趣味全開の部屋を見て、どう思ってるんですかって聞いてるんですよ!」