愛★ヴォイス
と言いながら、気まずそうに顔を上げた桐原さんは、相当強く顔を机に打ちつけたようで、鼻の頭が真っ赤になっていた。
「去年、一緒に服買いに行ってもらったじゃないですか」
「うん」
「あの時俺『経費で落ちるから』って言ったじゃないすか」
「うんうん」
「あれ……嘘です」
「――う、嘘?!なんでそんなついてもしょうがない嘘をついてたのよ?」
勢いよくまくしたてる私に、桐原さんは椅子ごと後ろに下がった。
「だってそうでも言わないと、金に糸目を付けて思い切った買い物ができないじゃないですか」
「で、どうしたのよ、そのお金は」
「……カードの……12回払いで……その」
気まずそうに目を反らす桐原さん。
「でもこのところずーっと忙しくて、レギュラーだって持ってるんだから、それ相応のお金、もらってるんじゃないですか?」
と問いただすと、
「俺まだ準所属だから、ランクが最低なんすよ」
声フェチとしてまったく勉強不足だったが、声優はランクで給与が決まる。
「去年、一緒に服買いに行ってもらったじゃないですか」
「うん」
「あの時俺『経費で落ちるから』って言ったじゃないすか」
「うんうん」
「あれ……嘘です」
「――う、嘘?!なんでそんなついてもしょうがない嘘をついてたのよ?」
勢いよくまくしたてる私に、桐原さんは椅子ごと後ろに下がった。
「だってそうでも言わないと、金に糸目を付けて思い切った買い物ができないじゃないですか」
「で、どうしたのよ、そのお金は」
「……カードの……12回払いで……その」
気まずそうに目を反らす桐原さん。
「でもこのところずーっと忙しくて、レギュラーだって持ってるんだから、それ相応のお金、もらってるんじゃないですか?」
と問いただすと、
「俺まだ準所属だから、ランクが最低なんすよ」
声フェチとしてまったく勉強不足だったが、声優はランクで給与が決まる。