愛★ヴォイス
(私は彼の声が好き)
(だから声が聴きたい)
(端から見たら恋愛?)
(いやいや、私が好きなのは彼の“声”だけ)
(だからこんなの……)
恋じゃない。
「……はぁ~~」
もやもやした気持ちをぐっと押し込めて、ため息を返すのがやっとだ。
横でレナが呆れた顔をしていたけど。
今の私にはやっぱりこの気持ちをどうにも上手く説明出来そうにない。
果たして、約束の土曜日がやってきた。
約束の5分前。
昼時を前に、駅周りは絶えず人でごった返していた。
しかしーー
「真下さん!」
ひときわ通るその声に、その場の誰もが振り返った。
人混みの中でも、頭一つ飛び出ていて、それだけでも目立つというのに、もうすっかりその状況に慣れているのか、本人はまったく気にしていない様子だった。
「桐原さん!」
(だから声が聴きたい)
(端から見たら恋愛?)
(いやいや、私が好きなのは彼の“声”だけ)
(だからこんなの……)
恋じゃない。
「……はぁ~~」
もやもやした気持ちをぐっと押し込めて、ため息を返すのがやっとだ。
横でレナが呆れた顔をしていたけど。
今の私にはやっぱりこの気持ちをどうにも上手く説明出来そうにない。
果たして、約束の土曜日がやってきた。
約束の5分前。
昼時を前に、駅周りは絶えず人でごった返していた。
しかしーー
「真下さん!」
ひときわ通るその声に、その場の誰もが振り返った。
人混みの中でも、頭一つ飛び出ていて、それだけでも目立つというのに、もうすっかりその状況に慣れているのか、本人はまったく気にしていない様子だった。
「桐原さん!」