愛★ヴォイス
やはりこういうのって今日中に感想メールなんかを送った方が良いのかしら?
などと考えながら、配られたアンケート用紙に書き込みをしていると
「真下さん!」
ふいに背後から大好きな声で名前を呼ばれて、思わず心臓が飛び出そうになった。
振り向くと
「…――ぷ」
やっぱり笑ってしまう。
そこにはウィッグこそ取ったものの、やはりミニドレスにイヤリング、ニーハイブーツ姿の桐原さんが。
ブーツのヒールのせいで、いつもの長身が更に迫力を増していて、身近で見るといっそう笑いがこみ上げてくる。
ほかの出演者たちも三々五々客席の関係者に挨拶して回っているようだ。
「楽しんでもらえました?――っていうより、引いてます?」
心配そうに胸元のリボンに手を添える桐原さんの姿に、笑い涙を拭いながら、首を振って応えた。
「すっごく楽しかったです。もう、笑いすぎてお腹痛いくらい」
「それは良かった」
安堵の表情で息をつくと、桐原さんはすかさずパンっと両手を胸の前で合わせた。
「せっかく来ていただいたんで、ここはお食事でも奢るところなんでしょうが、俺、このあとの打ち上げの幹事で」
そうしてまた深々と頭を下げる。
「本っ当ーーーにすみません!この御礼はいつか、必ず」
「そんな、こんな素敵な舞台を観せていただいて、お礼したいのは私の方で」
「いえいえ。真下さんにはチケットも買っていただきましたし」
そう言ってなかなか桐原さんは頭を上げてくれない。
「――じゃあ」
私は少し意地悪な口調で言った。
「これからの桐原さんの出演情報、教えてください」
などと考えながら、配られたアンケート用紙に書き込みをしていると
「真下さん!」
ふいに背後から大好きな声で名前を呼ばれて、思わず心臓が飛び出そうになった。
振り向くと
「…――ぷ」
やっぱり笑ってしまう。
そこにはウィッグこそ取ったものの、やはりミニドレスにイヤリング、ニーハイブーツ姿の桐原さんが。
ブーツのヒールのせいで、いつもの長身が更に迫力を増していて、身近で見るといっそう笑いがこみ上げてくる。
ほかの出演者たちも三々五々客席の関係者に挨拶して回っているようだ。
「楽しんでもらえました?――っていうより、引いてます?」
心配そうに胸元のリボンに手を添える桐原さんの姿に、笑い涙を拭いながら、首を振って応えた。
「すっごく楽しかったです。もう、笑いすぎてお腹痛いくらい」
「それは良かった」
安堵の表情で息をつくと、桐原さんはすかさずパンっと両手を胸の前で合わせた。
「せっかく来ていただいたんで、ここはお食事でも奢るところなんでしょうが、俺、このあとの打ち上げの幹事で」
そうしてまた深々と頭を下げる。
「本っ当ーーーにすみません!この御礼はいつか、必ず」
「そんな、こんな素敵な舞台を観せていただいて、お礼したいのは私の方で」
「いえいえ。真下さんにはチケットも買っていただきましたし」
そう言ってなかなか桐原さんは頭を上げてくれない。
「――じゃあ」
私は少し意地悪な口調で言った。
「これからの桐原さんの出演情報、教えてください」