愛★ヴォイス
私とは打って変わって、向かいでは慣れた手つきでポテトを口に運ぶ桐原さん。
「しばらく舞台はないんですーーというか、前回が特例で、あれは世話になった音響の先輩からの依頼で、事務所に無理言って許可もらって」
「はぁ」
「基本的に、事務所を通して入ってくる仕事は、声、の仕事なんですよね」
(ーーきた、きた、きた!)
まさか本人から声の仕事に関して情報がもらえるとは……!
今にもぐっと踏み込んで聞き出しそうな自分の気持ちを、コーラで抑え込む。
そんな私の気も知らず、桐原さんは淡々と続けた。
「フリーで劇団のオーディションに飛び入りで参加しまくってた時に、声の仕事はどうかって言ってくれた人が、今の事務所を紹介してくれて。ーーなんで、せっかくなんですけど舞台関係は……」
「声のご出演は?」
勢い余って、思わずかぶせ気味に声が出た。
驚いた表情で、桐原さんも思わずハンバーガーから口を離し
ている。
「……と、言いますと?」
「ですから、その“声”のお仕事のこれからのご予定は?」
焦る気持ちを必死に隠して、私は至極穏やかな笑みを浮かべ
ている……つもり、だった。
ところが。
「しばらく舞台はないんですーーというか、前回が特例で、あれは世話になった音響の先輩からの依頼で、事務所に無理言って許可もらって」
「はぁ」
「基本的に、事務所を通して入ってくる仕事は、声、の仕事なんですよね」
(ーーきた、きた、きた!)
まさか本人から声の仕事に関して情報がもらえるとは……!
今にもぐっと踏み込んで聞き出しそうな自分の気持ちを、コーラで抑え込む。
そんな私の気も知らず、桐原さんは淡々と続けた。
「フリーで劇団のオーディションに飛び入りで参加しまくってた時に、声の仕事はどうかって言ってくれた人が、今の事務所を紹介してくれて。ーーなんで、せっかくなんですけど舞台関係は……」
「声のご出演は?」
勢い余って、思わずかぶせ気味に声が出た。
驚いた表情で、桐原さんも思わずハンバーガーから口を離し
ている。
「……と、言いますと?」
「ですから、その“声”のお仕事のこれからのご予定は?」
焦る気持ちを必死に隠して、私は至極穏やかな笑みを浮かべ
ている……つもり、だった。
ところが。