愛★ヴォイス
たしかにこれでは個人のセンスが色濃く誌面に表れる。
更に桐原さんは今回初めて本格的な取材を受けると言っていた。
(……もしかしたら私、早まったことしたんじゃ……)
じわじわと忍び寄るプレッシャーに耐えきれず、その日はほとんど眠ることが出来なかった。
翌日になっても落ち着けず、早めに出社した私は会社近くのコンビニで男性向けファッション雑誌を物色していた。
(なにか、こう……方向性だけでも掴めれば……)
ぱらぱらと雑誌をめくっていると
「何、彼氏にプレゼントとか?」
「!!!」
部内の同期・柏木レナがにやにやと私の手元をのぞき込んでいた。
慌てて後ろ手に雑誌を隠したが、時すでに遅しとはまさにこのこと。
ちょいちょいと指で促され、渋々と雑誌を棚に戻した私は、彼女と並んで店を出ることとなった。
「相手はやっぱりあの時の役者ビンボーくん?」
「言っとくけど、彼氏とかじゃないからね」
「まさか……貢いだりしてるんじゃないでしょうね」
「そんなんじゃないわよ」
じゃあ何で?と食い下がるレナに「昼休みにね」と吐息まじりに告げ、ぎゅうぎゅうの社内エレベーターに乗り込んだ。
更に桐原さんは今回初めて本格的な取材を受けると言っていた。
(……もしかしたら私、早まったことしたんじゃ……)
じわじわと忍び寄るプレッシャーに耐えきれず、その日はほとんど眠ることが出来なかった。
翌日になっても落ち着けず、早めに出社した私は会社近くのコンビニで男性向けファッション雑誌を物色していた。
(なにか、こう……方向性だけでも掴めれば……)
ぱらぱらと雑誌をめくっていると
「何、彼氏にプレゼントとか?」
「!!!」
部内の同期・柏木レナがにやにやと私の手元をのぞき込んでいた。
慌てて後ろ手に雑誌を隠したが、時すでに遅しとはまさにこのこと。
ちょいちょいと指で促され、渋々と雑誌を棚に戻した私は、彼女と並んで店を出ることとなった。
「相手はやっぱりあの時の役者ビンボーくん?」
「言っとくけど、彼氏とかじゃないからね」
「まさか……貢いだりしてるんじゃないでしょうね」
「そんなんじゃないわよ」
じゃあ何で?と食い下がるレナに「昼休みにね」と吐息まじりに告げ、ぎゅうぎゅうの社内エレベーターに乗り込んだ。