愛★ヴォイス
ハートノ【切札】
そうこうしている内に、いつの間にかメインストリートを通り抜け、有名ブランドがひしめくファッションビルをも素通りし、気がつけば周囲は住宅街の様相を呈していた。
しかしよく見ると、所々店の在処を示す看板がある。
そんな隠れ家的なショップに、翔くんは次々に飛び込んでいった。
そしてそれぞれの店で、ファッションショーのごとく、桐原さんに大量の服を着せては、これぞというアイテムをだけを選びとってゆく。
雑誌に載っている有名ブランド店で、ワンシーズン一揃え、まとめ買いしかしていない私とは、手法の次元が違う。
その卓越した手腕に感動すら見いだしている私の横で、レナは好き勝手に店内を物色していた。
こんな光景は、翔くんが幼稚園に通う時分から見慣れたものらしい。
桐原さんはと言えば、取っ替え引っ替え、大量の服に埋め尽くされながら、嫌な顔一つせず翔くんの指示に従っている。
特に着回しのアドバイスには熱心に耳を傾けていた。
訊けば、先日見せて貰った雑誌以外からも数社取材依頼が来ており、数パターンの衣装の組み合わせが必要らしい。
そういえば、今回桐原さんがレギュラーの役を掴んだ『ビリケン!』については、まだコミックスも買っていなかった。
一つの役が決まっただけで、何社も取材に来るだなんて。
私がアニメやマンガに詳しくないだけであって、もしかしてとんでもない人気作なのかもしれない。
(本屋に行った時に、合わせて見ておけばよかった)
しかしよく見ると、所々店の在処を示す看板がある。
そんな隠れ家的なショップに、翔くんは次々に飛び込んでいった。
そしてそれぞれの店で、ファッションショーのごとく、桐原さんに大量の服を着せては、これぞというアイテムをだけを選びとってゆく。
雑誌に載っている有名ブランド店で、ワンシーズン一揃え、まとめ買いしかしていない私とは、手法の次元が違う。
その卓越した手腕に感動すら見いだしている私の横で、レナは好き勝手に店内を物色していた。
こんな光景は、翔くんが幼稚園に通う時分から見慣れたものらしい。
桐原さんはと言えば、取っ替え引っ替え、大量の服に埋め尽くされながら、嫌な顔一つせず翔くんの指示に従っている。
特に着回しのアドバイスには熱心に耳を傾けていた。
訊けば、先日見せて貰った雑誌以外からも数社取材依頼が来ており、数パターンの衣装の組み合わせが必要らしい。
そういえば、今回桐原さんがレギュラーの役を掴んだ『ビリケン!』については、まだコミックスも買っていなかった。
一つの役が決まっただけで、何社も取材に来るだなんて。
私がアニメやマンガに詳しくないだけであって、もしかしてとんでもない人気作なのかもしれない。
(本屋に行った時に、合わせて見ておけばよかった)