愛★ヴォイス
決して安い代物ではない。
台座に輝く紅玉はおそらく本物だ。
しかし私なりに桐原さんへの応援の気持ちを、形にして示したいという思いがあった。
明らかにメンズのブレスを持ち込んだ私に、対応した女性店員は一瞬口を開き掛けたが、事情を察したようにこっそりと微笑んだ。
そして渡された袋には、さりげなく赤のリボンが施されていて、その心遣いに、私は心の中で何度も頭を下げた。
一通り買い物を終える頃には、日も完全に落ちきって、街はすっかりネオンに包まれていた。
「この後食事でも!」としきりに詰め寄る翔くんに、桐原さんは
「残念ながらこれからバイトなんで、買ったものを一度家に置いて来ないと」
と、戦利品の詰まった大きな5つの紙袋を見渡した。
手持ちの服がほとんどなかった桐原さんのために、帽子からベルトから靴まで、一通りを揃えたのだ。
その荷物の量は半端ではない。
荷物に目を向けた翔くんは、納得しながらもがっくりと肩を落とした。
台座に輝く紅玉はおそらく本物だ。
しかし私なりに桐原さんへの応援の気持ちを、形にして示したいという思いがあった。
明らかにメンズのブレスを持ち込んだ私に、対応した女性店員は一瞬口を開き掛けたが、事情を察したようにこっそりと微笑んだ。
そして渡された袋には、さりげなく赤のリボンが施されていて、その心遣いに、私は心の中で何度も頭を下げた。
一通り買い物を終える頃には、日も完全に落ちきって、街はすっかりネオンに包まれていた。
「この後食事でも!」としきりに詰め寄る翔くんに、桐原さんは
「残念ながらこれからバイトなんで、買ったものを一度家に置いて来ないと」
と、戦利品の詰まった大きな5つの紙袋を見渡した。
手持ちの服がほとんどなかった桐原さんのために、帽子からベルトから靴まで、一通りを揃えたのだ。
その荷物の量は半端ではない。
荷物に目を向けた翔くんは、納得しながらもがっくりと肩を落とした。