愛★ヴォイス
「――真下さん」
「は、はいっ」
改めて向き直られて、思わず身体が強ばってしまう。
しかしそんな私に構わず、桐原さんの両手が私の手を力強く握りしめた。
「ありがとうございます!役のイメージにぴったりです!俺、取材の時には絶対にこのブレスレットはめていきます!一生、大切にします!!」
「一生……は大袈裟ですよ」
「いえ!むちゃくちゃ嬉しいです!俺、絶対大切にしますから」
改めてホームに向かう桐原さんが、ブレスを巻いた方の手を振ってくれた。
その腕に光る紅玉を見て、私は自分の心が温かい幸福で満たされていくのを感じた。
帰り道、最寄り駅近くの書店に立ち寄った。
『ビリケン!』のコミックスを探すためだ。
しかし、それは探すまでもなくコミックス売場の平台を圧倒的に独占していた。
26巻以下続刊。
1巻から最新の26巻までずらりと表紙を並べて積んである。
そしてすべてのコミックスの帯に“250万部突破”の文字が華々しく踊っていた。
手書きのPOPには、大きく“今もっとも注目のビリヤード漫画!!”と銘打たれている。
「は、はいっ」
改めて向き直られて、思わず身体が強ばってしまう。
しかしそんな私に構わず、桐原さんの両手が私の手を力強く握りしめた。
「ありがとうございます!役のイメージにぴったりです!俺、取材の時には絶対にこのブレスレットはめていきます!一生、大切にします!!」
「一生……は大袈裟ですよ」
「いえ!むちゃくちゃ嬉しいです!俺、絶対大切にしますから」
改めてホームに向かう桐原さんが、ブレスを巻いた方の手を振ってくれた。
その腕に光る紅玉を見て、私は自分の心が温かい幸福で満たされていくのを感じた。
帰り道、最寄り駅近くの書店に立ち寄った。
『ビリケン!』のコミックスを探すためだ。
しかし、それは探すまでもなくコミックス売場の平台を圧倒的に独占していた。
26巻以下続刊。
1巻から最新の26巻までずらりと表紙を並べて積んである。
そしてすべてのコミックスの帯に“250万部突破”の文字が華々しく踊っていた。
手書きのPOPには、大きく“今もっとも注目のビリヤード漫画!!”と銘打たれている。