愛★ヴォイス
「!!!ま、真下さんっ?!一体どうしたんですか??」



そっと背中に添えられた大きな手のひらが温かい。



「――真下さんの方が、お疲れなんじゃないですか?」


そう言って背の高い彼が、膝を折って微笑みかけてくれた。


深い海のような、静かで穏やかな声が、優しく私を包み込む。


決してよくある単純な形容ではない。


本当に、まるで柔らかな毛布を掛けられたかのような、温もりさえ感じられる声なのだから。



私の涙の理由を、彼は激しく勘違いしているけれど。


(元気そうで良かった――)


涙が流れるに任せて、私は安心して瞼を閉じた。





「はい、どうぞ」

「ありがとうございます……」


手渡されたココアの缶を両手で包み込む。



居酒屋から少し離れた公園のベンチで、私と桐原さんは並んで腰掛けていた。
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