一期一会
捺々香はうちらを放って、純平くんと久し振りの再会を喜ぶかのような振る舞いだった。
純平くんがどういう人かは、正直なところよく知らないけど、今の捺々香はすごくキラキラしている気がする。
腕を組んだ捺々香と純平くんが、うちらの所に幸せ全開オーラでやってくる。
「ごめんね?捺々香と楽しそうに話してたのに邪魔しちゃって…」
申し訳なさそうに頭を掻いた。
「そ、そんなことないよ」
「早く相合い傘して帰ればっ」
ふんってそっぽを向いく空南。
「もしかして怒ってる?」
その空南の顔色を伺う純平くん。
「大丈夫、大丈夫。ただツンツンしてるだけだから♪」
はははってうちと捺々香は笑う。
「笑うな、笑うなぁぁぁぁああぁぁぁ!!」
「可愛い、可愛い♪」
ぷくっと頬を膨らませて腕をパシパシと叩いてきても、ただ可愛いだけだぞー。
「茶化すなぁ゛ー!!」
「こわーい(笑)」
なんかうちらだけで盛上がっちゃってて、純平くんはどうなんだ?
ふと純平くんを見ると……笑ってるんですけどー!!
「捺々香の友達ってウケるね」
「梨夏っ、帰るよ!!電車乗り遅れるから」
空南さん怒って、めちゃめちゃ高速歩きしてます。
「ごめんって、じゃね。ナナと純平くん」