一期一会
うちは2人に手を振って、ピンク色の傘の中に入った。
「バイバイ」
2人とも手を振ってくれたけと、空南はさっさと歩く。
そのままネオンに光る夜の町を駅まで歩いた。
うちらは塾まで電車で通っている。今年は高2でテスト前だから勉強詰めだ。。。
帰ってもどうせ勉強する。今のうちってめちゃめちゃ偉いな(←自分で言っちゃいました)
「梨夏ぁ」
「ん?」
駅のホームでベンチに座って、次の電車を待つ。
「梨夏って、英語だけめちゃめちゃ出来んじゃん?なんでなの」
「それは、3歳から小6までアメリカにいたからかな」
「えっ、まぢで?!帰国子女っ??!」
大きな目を更にバチッと見開いて驚かれた。
「うん。つーか、空南に言ってなかったっけ?」
「言ってない、言ってない!!帰国子女とか、かっこよスー♪」
そのわりには日本語ペラペラです。捺々香は多分知ってると思うけど、空南にも前に言った気が……
「あ、電車来た」
うちらは電車に乗り込んだ。意外にも車内は空いている。
「梨夏ぁ、ここ座ろ」
「うん」
『○○駅~○○駅~』
うちらが降りる駅名を告げる。
電車のドアが開いた瞬間ひょいっと降りると、空南のポニーテールがふわっと波打った。