一期一会

まだ、雨はかなり降っている。
「雨やめよっ!!」
「そんなこと言っても、やまないでしょ」
的確なツッコミを受けましたね。
「やむかもしれないじゃん」
2人共馬鹿ちゃんだから、やたら気が合う。
「-----あの、」
突然後ろから声を掛けられ、とっさに2人で振り向く。
見憶えのない顔。うちらの学校の制服を来た男子学生が立っていた。
「-----誰?知ってる人?」
小声でうちに言われても…
「知らない」
茶金パで右側の髪をサイドアップにしている。目が大きくって、細マッチョのいかにもチャラい人。
「これ」
彼はそう言って、うちがいつも鞄につけてるストラップを……って、うちのだー!!
「そ、それ、うちのストラップです。すいません。ありがとうございます」
彼が差し出したストラップを受け取り、お礼を言って頭を下げるうち。
「おぅ」
彼はそう言うと、暗い街へ消えていった。
無愛想な人で見た目チャラい人だったけど、めちゃめちゃイイ人だ。
「あの人、アタシ達と学校の制服だったね」
「うちもそう思ってた」
やっぱり同じこと考えてんだなって思った。
「先輩かタメくらいじゃなかった?」
「うん」
「明日、ダメ元で捜してみるか♪」


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