君に伝える。
それから3時間。
あたしはずーっと原岡君の隣にいた。

帰り――――――――――――

「佐藤」

下駄箱で原岡君がふと、あたしに声をかけた。

「何?」
「お前家ドコなの?送ってく」
「いーよ、悪いもん」
「ダメー、佐藤は断れませ~ん」

ふざけて言う原岡君。
もしかして、心配してくれてる?

「もー。じゃあ、送ってもらうよ」
「へっへーん。ほら、断れない」
「そのかわり、すんごい遠いからね」
「いーよ、俺チャリだし。取ってくる」

そう言うと、彼はあたしのカバンを取り
自転車置き場へと向かった。
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