君に伝える。
麻子 side
あ…れ?
ここ、どこだろう?
「…麻子」
「ふぁい?」
「寝ぼけてるんじゃないよ、麻子!」
「はっ!」
わ、教室だ!
なんでなんで?
あたし廊下で寝ちゃった記憶があるよ?
「もう。普通女子が廊下で寝る~?」
「あた、あたしなんでここ…?」
「原岡が運んでくれたのよ」
「原岡君が!」
「そ。まったく、困った子なんだから」
そうかぁ、原岡君が。
またお礼言っとかなきゃな。
あ、今日放課後残らなきゃいけないんだ。
その時に言おうっと。
「ねぇ、麻子さ、原岡のこと好きなの?」
「うん、好きだよ」
「彼氏にしたい?」
「えぇ~?そういう好きじゃないと思う」
「そっか」
「第一、彼女いるしねぇ」
「あぁ、あれデマだったみたいよ」