君に伝える。

「じゃ、じゃあね!楽しんできてよ」

顔を下に向けたまま、走り去る彩菜。
その姿を見ると、なんだか切なくなる。

悲しくて、
切なくて、
痛々しくて、

どうしようもなくなる。


ゴメン、あたしがあんなこと言ったから。
彩菜が石神を好きとか、暴露したから。

あたしってホント馬鹿だなぁ…
うっかり口滑らせちゃって。
大事な友達の秘密を言っちゃうとか。
しかも本人に!

ありえないよね、自分。

「喜田…彩菜」
「……へ?なんか言った?」
「いや、喜田可愛いなって」

喜田可愛い。

大チャーーーーーンス!!
今彩菜を精一杯ホメよう!
そして石神君とくっつけよう!!
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