君に伝える。
「うわ、鼻毛出た」
「そういうこと言うなよ、一応女子だろ」
「えへへ」
少しだけ笑顔を取り戻したっぽいな。
良かった良かった。
「なんで泣いてたんだ?」
「嬉し泣きと悲し泣き」
「意味不明だよ」
「今日ね、石神としゃべれたの。これが嬉し泣きの理由ね。んで、悲し泣きは石神と麻子がデートの約束してたからなの」
あ、今気付いたけど語尾伸ばさなくなった。
「そっか。…ってえぇ!?」
「あ、そだ原岡って麻子好きなんだっけ」
「そうだよ!俺メッチャ好きだよ」
「いいなぁ」
「……は?」
何言ってんだ?
好きなヤツが他の男子とデートすんだぞ。
いいわけないだろ…
「麻子は、自分を真剣に好きになってくれる人がいるんだもん」