君に伝える。

麻子 side







彩菜と原岡君に呼び止められたあたし。
一体、どんな用事なのでしょうかー?

「…で、用件は何でしょうか?」
「彩菜のお願い聞いてくれる?」
「お願いにもよるかなぁ~」

一週間で10kgやせて、とか太って、
とかいうお願いなら無理だもんねぇ~…

「可愛い可愛い麻子より断然可愛い彩菜ちゃんからのお願いだよぉ?」

あ、なんかムカつくー。
事実だけど。
でもでも、麻子も可愛いもんねっ(笑)

「どんなお願い?」
「…石神の半径2m以内に入らないで?」
「えぇ~?無理だよぉ、あたし2mの定規なんて持ってないし、持ち歩けないもん」
「だいたいよ!だいたいの距離」
「それでも無理…だって2mだよ?そのお願い聞いてたら、偶然ぶつかったとしても、あたしのせいになっちゃうじゃん」

あたしがそう言うと、彩菜は少し考え込んだ。
そして、一言。

「麻子の分からず屋」
「……………はぁ?」
自分でも、プツンという音が聞こえた。
< 128 / 262 >

この作品をシェア

pagetop