君に伝える。




放課後―――――――


あーあ、なんだか疲れちゃった。

あの後、あたし自分でもどうしたのか
全く分からない。
気付いたら、5階のトイレにいた。

5階トイレはいろんな幽霊が出るらしい…
花子さん、太郎さん等々。
だから、みんな絶対に入ったりしないし、
近づきもしない。

あたし、無意識のうちに人のいないところに

行きたいって、思ったのかな…

そんなことを考えていると、
原岡君が声をかけてきた。

「何考えてんの?」
「……………」
「佐藤?」
「…あたし、彩菜に怒っちゃった」
「え、もしかして反省してる?」
「ちょっとだけ…ね」
「反省しなくていいよ」
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