君に伝える。

「どうして？」
「佐藤は悪くないから」
「彩菜が悪いの？」
「ううん、誰も悪くないんだ。喜田だって佐藤を怒らせるために言ったんじゃないよ、あんなこと。
だから、誰も悪くない。
自然現象なんだ」

自然現象…

「喜田は、将器が好きだから言った。
佐藤は、自分の意見を言った。
それだけだろ？」
「……ありがとね、原岡君。

　あたし、原岡君がいてくれなきゃダメだ」

そう言った瞬間、原岡君は顔を真っ赤にした。
あれ、あたし変なこと言ったかな？

ま、いっか。

優しい原岡君。
親友の原岡君。
大切な原岡君。

あたしの、好きな人。

あれ、これって恋愛感情？
それとも友達として？

う～ん…

よし、今度仲直りがてら彩菜に相談しよっ。