君に伝える。
先生に頼まれていた仕事を終わらせ、
あたしは彩菜の元へと向かった。
演劇部備品倉庫―――――――
“演劇部備品倉庫”と書かれた、
手書きのプレート。
彩菜、陸上部に話に行ってくれたんだ。
前は陸上部の部室だったけど、
今は全然使われてなかった。
ちょうど演劇部の部室の横だったので、
前々から借りたいね、とは話していたのだ。
ついに、使える日が来たのねぇ!!
あたし実はひそかに狙ってたんだよね、
この部屋倉庫以外に使うこと!
もう、妄想入りまくりだけど……
この部屋で、好きな人とキスしてみたい。
そんな願いもむなしく。
佐藤麻子、15歳。
彼氏いない歴15年。
告白された回数、1回。
しかもそれは彩菜の好きな人。
なんという波乱の恋愛歴!!