君に伝える。

必死でもがく。
でも石神は離してくれない。

「ぜぇったい離さないー」
「やー!!」

さっきより強く彩菜の体が包み込まれる。
それどころか、耳元でささやかれた。

「…彩菜可愛い」

一気に上がる体温。
それと同時に赤くなる顔や耳。

「プフッ」
「…プ、プフッじゃ、ないっ!!」
「だって分かりやすい…」
「もう!嫌い!!」
「さっき好きって言ったくせに?」
「好きなんか言ってませーん。
 匂いより石神が好きって言っただけ!」
「はい、今言ったー」

あ。

む、むきぃーーーー!!!

「離せコラー!」
「ちょ、おいそんな暴れたら……」


ドサッ。
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