君に伝える。

石神が出て行った後――――――

「何、話って?」
「お前、石神と付き合ってねぇのにあんなこと平気で出来るんだな」
「だから、ちがっ…」

いきなり机に押し倒された。

「じゃあ何?違うって何が?」
「勘違いだよっ!だから離して!」
「俺ら元恋人じゃん。ヨリ戻そうぜ?」

そう言って、彩菜の脚を触り始めた。

嫌悪感や恐怖。

彩菜これからどうなっちゃうの?
このままだと彩菜ダメになっちゃう。
根拠もないけれど、そう感じた。

そんなの、絶対嫌だ!

「やだ、離して!触らないで!」
「彩菜は何も感じない?俺らの愛」
「感じないっ!!気持ち悪い!」
「気持ち悪い?ひどいなぁ」

そういって、今度はキスまでしようとする。

一体何なの?

この前彩菜と別れるとき連れて来た彼女は?
わざわざ彩菜を傷つけるために連れて来た、
あの細い可愛い彼女は?

その子もまた、傷つけられたのだろうか。
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