君に伝える。

「あー、噛み過ぎた。血出ちゃった」

遊喜は彩菜の首筋を噛むのが好きだった。

吸血鬼の映画を見て、
自分もやりたいと思ったらしい。

公園デートとかで、
彩菜がうとうとしていると首筋を噛む。
その痛みで目が覚める。

最初は痛みだけで気付かなかったけど、
鏡を見て、気付いた。

だんだんと、遊喜の変態性に気付き始め、
別れを切り出されたとき、
正直安心した。
悔しかったけれど、少し安心感を抱いた。

「もうやめて!」

必死の思いであがく。
遊喜の顔が近づく。

もう、ダメ……………
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