君に伝える。

将器 side












喜田を家まで送っていくことになった。

ハグした後だから、ちょっと気まずい…
何話すべきなんだろ、こーゆーの。

何度か女子と付き合ったことはあるけど、
チャラい感じだったしなぁ。

いろいろ考えていると、喜田が口を開いた。

「さっき、助けに来てくれてありがと」
「……おう」
「最初、なんでピッキング?って思った」
「一番、安全かなって。
 ドア倒すのも考えたけど、危ないし。
 もし倒れたとこに喜田がいたらケガするし」

ちょっと、格好いいこと言ってんじゃね?

「…そうなの?」
「ん」
「照れてる」
「照れてねぇよ!」
「照れてるじゃん。顔赤いしー」

そう言って俺の顔を触ってくる。

ヤベ、なんだろこの気持ち。

恥ずかしいとか、そういうのじゃなくて。
< 160 / 262 >

この作品をシェア

pagetop