君に伝える。
将器 side
喜田を家まで送っていくことになった。
ハグした後だから、ちょっと気まずい…
何話すべきなんだろ、こーゆーの。
何度か女子と付き合ったことはあるけど、
チャラい感じだったしなぁ。
いろいろ考えていると、喜田が口を開いた。
「さっき、助けに来てくれてありがと」
「……おう」
「最初、なんでピッキング?って思った」
「一番、安全かなって。
ドア倒すのも考えたけど、危ないし。
もし倒れたとこに喜田がいたらケガするし」
ちょっと、格好いいこと言ってんじゃね?
「…そうなの?」
「ん」
「照れてる」
「照れてねぇよ!」
「照れてるじゃん。顔赤いしー」
そう言って俺の顔を触ってくる。
ヤベ、なんだろこの気持ち。
恥ずかしいとか、そういうのじゃなくて。