君に伝える。

「じゃ、じゃあ一緒に帰ろ、麻子」
「分かった！また後でね」

せっかくなんだもん、
2人きりにしてあげなきゃね。
あたしってば、優しい～。

「佐藤！ちょっと、話せないか？」
「石神君。いーけど、彩菜は？」
「喜…彩菜は、係の仕事があるらしくて」
「そう。で、何？」

石神君が話し始めたのは、
彩菜を好きになった理由だった。

「佐藤には、悪いと思ってんだ。
　告白したくせに、違う女好きになって…
　だから、きちんと理由を話したいんだ。

　彩菜と一緒に帰った日、彩菜に対するいつもの感情と違う感情が芽生えたんだ。
　それが、恋愛感情だった。

　心の底から守りたいって、
　他の男に触らせたくないって思った」

石神君、今度は本気なんだね。
あたしのときみたいに、
軽く好きだって思ったんじゃないんだね。

信じて、任せてもいいんだよ…ね？

「ホントに、好きなの？」
「好きだ。俺の命かけれる」
「……嬉しい」

彩菜を傷つけたら絶対許さないからね。

あたしの、大事な大事な友達なんだから。

良かったね、彩菜。