君に伝える。
「はい、新しいクラスで頑張っていこう」
先生の言葉。
あたし達は今日から、中学3年生です。
「じゃあまずは...学級委員を決めようか。誰か立候補してくれる人?」
そんなんいるわけないじゃん。
いたとしたら、その人はすごい勇気を持った人か、それとも重度の目立ちたがり屋。
「おい、辰己いけよっ」
「なんで俺なんだよー」
「お前結構しっかりしてんじゃん」
「えー?マジで?いっちゃう~?」
そう言って男子の方はすんなり手があがった。
女子は誰がなるのかなぁ。
男子は原岡 辰己(ハラオカ タツミ)
それなりの顔で、何気モテるけど本人は自覚がないみたい。
「ねぇ、麻子いっちゃいなよ」
「え?やだぁ、なんでよ~」
「だって麻子字キレイじゃん」
「関係ないよぉ」