君に伝える。

ダジャレじゃなかったのか…
ちょっと残念←

「何が不安なの?」
「佐藤が、他のやつに取られたらって。
 実際もう取られてんだけど…さ」

取られてなんかないよ。

いくらあたしが馬鹿でも、
その意味くらい分かる。

他の人と付き合ったら…ってことだよね?

さっきの“好き”で全部つながった。

あたしの頭の中で渦巻いていた、糸が。


だからね、聞いて欲しい。


「あたしはずっと、原岡君だけ見てきたよ」
「……え?」
「原岡君と話すたび、好きになっていくの」
「俺のこと、好きなの?」
「大好き。恋愛感情で」

ホントだよ。
あたしの心から思ってることだよ。

もう、原岡君しか見えないの。
原岡君だけが、好きなの。

信じて、ください。

「じゃあ、なんで将器と付き合ってんの?」
「へ?」
「俺聞いちゃったんだよね。
 佐藤が将器に告られてるの」
「え、いつ?」
「今日の朝。2人で話してたじゃん」

今朝2人で話してたっていえば……
あぁ!あのときか。

「…あれは、彩菜のことだよ。
 彩菜のことを本気で好きなの?って」
「……………………マジかよ」
「マジだよ」
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